かつて日本でも広く流通していたメタンフェタミンという中枢刺激作用のある薬剤が存在します。(“ヒロポン”として知られていました)
今回は、そのメタンフェタミン関連の心不全がアメリカで増えているという内容の研究をご紹介します。
メタンフェタミン関連心不全の入院増加による社会経済的な負担
アメリカのカルフォルニアにおける入院を調べた研究で、2008年から2018年における主な診断が心不全である18歳以上の患者が分析の対象となりました。
結果として、以下の内容が示されました。
①メタンフェタミン関連心不全の入院は10万人あたりの人数で、4.1人(2008年)⇒28.1人(2018年)と大きく増加していました。(メタンフェタミン関連以外の心不全での入院はむしろ減少)
② 経済的な負担に関しても4,100万ドル(2008年)⇒3億9000万ドル(2018年)と非常に大きな割合で急増していました。
つまり、“アメリカで中枢刺激作用のある薬剤に関連する心不全が近年大きく増加しており、医療経済を圧迫している”と言えそうです。
日本では、中枢刺激作用のある薬剤がここまでの規模で流通していないと思われますが、この種の薬剤に関する基本的な副作用として、循環に対する負荷を念頭に置くべきであると思われました。
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