適度なアルコール摂取は寿命を伸ばす効果があることが指摘されてきました。
しかし、この“適度”とはどの程度までなのか、非常に判断に迷うところです。
今回は、比較的良く認められる不整脈である心房細動の頻度との関連で、アルコールの“適度”を調べた研究をご紹介します。
Risk Thresholds for Total and Beverage-Specific Alcohol Consumption and Incident Atrial Fibrillation
全体あるいは種別アルコール消費と心房細動に関するリスク閾値
中年期の約40万人(女性52.4%)が対象となりました。
平均11.4年の観察期間で、約2万件の心房細動の発作がありましたが、これらとアルコール摂取量との関連を調べました。
結果として、以下の内容が明らかになりました。
①アルコールの消費が7ドリンク/週(ビール1缶:440mlがおよそ2ドリンク)までは心房細動は減少して、そこから増加に転ずるいわゆるJカーブの量依存関係がありました。
②アルコール種別では赤ワイン10、白ワイン8、蒸留酒3ドリンクからは増加に転じていました。
つまり、“アルコールを摂取することは循環に対してある摂取量以上では悪影響が大きく、心房細動の頻度からの許容量は週にビール3缶程度である”と言えそうです。
イギリスの基準での計算でしたが、週に摂取できるアルコール量はかなり少なく、アルコール摂取の“適度”とは「週に何度かワインかビールをちょっと(グラス1~2杯)飲む程度」なのかもしれません。
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