
今までにもアルツハイマー病ではビタミンD(25-hydroxyvitamin D)が低下しているという指摘がありました。
今回は、より詳しく遊離したビタミンDや生体利用が可能なビタミンDのレベルを調べた研究をご紹介します。
アルツハイマー病における遊離・生体利用可能なビタミンDの比較
60歳以上のアルツハイマー疑い(possible AD 以下、単にADと表記)の85人と、比較としての85人が研究の対象となりました。
血清中の全ビタミンD、遊離ビタミンD、生体利用可能ビタミンD、ビタミンDの生体利用可能/全体の比率、ビタミンD結合蛋白、副甲状腺ホルモン、カルシウム、リン、アルブミンの値を調べ、比較しました。
結果として、全ビタミンD、遊離ビタミンD、生体利用可能ビタミンD、ビタミンDの生体利用可能/全体の比率が、ADで明らかに低下していました。
つまり、“アルツハイマー病では実際のビタミンD生体利用が低下している可能性が高い”と言えそうです。
どのような仕組みによるのかは明らかではありませんが、アルツハイマー病に特徴的な血清学的な指標として役立つ可能性を感じました。
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