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イソトレチノイン使用者における自死・精神障害のリスク


日本では未承認ですが、海外では長年使用されてきた重症ニキビに対する治療薬に“イソトレチノイン”という薬剤があります。


以前から、副作用として精神障害や自死(企図)が増えるのではないかという指摘があります。


今回は、イソトレチノインが、精神障害や自死(企図)に対してどのような影響を与えるのかを調べた複数研究のまとめ(メタ・アナリシス)をご紹介します。


Risk of Suicide and Psychiatric Disorders Among Isotretinoin Users

A Meta-Analysis

イソトレチノイン使用者における自死・精神障害のリスク


イソトレチノインの精神的影響を調べた25本の研究(1,625,891人の参加者を含む)が分析の対象となりました。


結果として、以下の内容が示されました。


・自死のリスクを調べた研究では、企図・自傷も含めて、発生率は0.5%未満にとどまっていました(1年の経過)。


・長期のの経過まで調べると、自死の企図がやや低下していました(2年の相対リスク0.92倍、3で0.86倍、4年で0.85倍)。


・うつ症状が発症する割合は、3.82%でした。


要約:『イソトレチノインは自死(企図を含む)の可能性を大きく増加させるとは言えないかもしれない』


他科での使用薬剤で比較的頻度の高い精神的副作用を持つものもあるので、今後も注意が必要であると考えられました。



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