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エナジードリンクに関連したと思われる精神症状と急性腎不全

エナジードリンクは主としてカフェインを有効成分とする飲料として有名です。



覚醒を促し、疲労感を軽減する一方で、苛立ちや不安・焦燥が強くなることがあるので注意が必要であるとされています。


今回は、エナジードリンクの過剰摂取が妄想等の精神症状や急性腎不全につながったのではないかと思われる症例をご紹介します。


A Case of Psychosis and Renal Failure Associated with Excessive Energy Drink Consumption

エナジードリンクの過剰摂取に伴った精神症状と急性腎不全


30歳のイギリス人男性。刃物の所持と器物破損で逮捕されました。安静を保つためには身体的抑制を必要とし、医療的必要性の確認のために救急病院を受診しました。身体的には異常はなく、抗不安薬(ロラゼパム)の注射を受けて、拘置所に帰りました。その後は、精神科に入院し、症状評価が行われることになりました。入院時、強い興奮と不安を認め、誰かに追われているとの妄想が刃物を持つきっかけであることが分かりました。

生活歴として、彼はシフト制の労働に従事しており、覚醒を保てるように1日に12本のレッドブル(250ml缶)を飲用していました(カフェインで960mg相当)。逮捕当日はアルコールも摂取していたようですが、依存状態ではなく、他の薬物摂取歴はありませんでした。

入院時から著しい腰痛を訴えました。レントゲンでは整形外科的な異常はなく、入院2日後には激しい腹痛と嘔吐も認め、血液検査を行ったところ、筋肉内酵素の逸脱(CK:3336U/L)と急性腎不全(Cre:1205μmol/L)を認めました。

その後急性期病棟に転棟し、人工透析を行いました。抗精神病薬を用いて精神症状は軽減し、身体的回復を待って退院となりました。


当初の精神症状悪化の原因としてはアルコールの摂取や不眠等の影響も考えられますが、その後も持続した精神症状(興奮や不安)や身体的異常には離脱も含めたエナジードリンクの過剰摂取の影響が推測されます。


エナジードリンクは合法的に覚醒を促し、仕事や勉強への適応目的で飲用される方が多くなっていますが、少なくとも精神的な依存性は少量から認められる場合も多く、できれば当初から飲用を控える方が良い飲料であると思われました。


#薬物依存


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