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自閉症スペクトラムの問題行動にスルピリドが著効した症例



自閉症スペクトラム障害に対するスルピリドの治療


9歳の自閉症スペクトラムと軽度知的障害の男の子。特別支援の学校に通っていました。


行動のコントロールが難しく、大声で叫んだり、常に体を揺すったりしていました。


睡眠も不規則で、夜中に何度も目を覚ましたりしていました。


だんだん問題行動が激しくなり、特に頭を打ちつける自傷行為が危険なレベルになり、発達専門の病院に入院しました。


彼は元々、薬の副作用で心配される代謝障害のリスクが大きかったのですが(体格は大きめで、家族は1型糖尿病)、環境調整が無効な問題行動があまりにも激しかったので、薬物療法を行うことになりました。


最初はアリピプラゾール、次にリスペリドンが投与されましたが、いずれも高度の肝機能障害が現れ、使用を断念しました。


パリペリドンも検討されましたが、最終的には副作用への懸念を優先し、スルピリド経口液(Sulpiride Rosemont)が試みられました。


ゆっくりと増やして最終的には2.5mLを朝夕に投与し始めてから、問題行動が大きく改善しました。


心配されていた肝機能障害もなく、筋肉の固さやプロラクチン(ホルモン)の上昇もなく、身体的にも非常に安定していました。


通常、スルピリドは肥満やホルモンの異常などを起こしやすいと考えられており、自閉症スペクトラムの問題に用いられた症例報告もほとんどありませんが、この症例のように身体的リスクの高い場合に慎重に試みて有効な例が存在することが分かりました。


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