オキシトシンの鼻腔内投与は自閉症スペクトラム障害の一部の症状に有効かもしれない


子宮収縮を促進するホルモンとして知られているオキシトシンですが、社会的交流における役割が注目されており、一部では“愛情ホルモン”と名付けられているようです。


今回は、やや以前の論文(2020年1月)ですが、オキシトシンを鼻腔内に投与し、社会性の改善等、自閉症スペクトラム障害の中核的症状に効果を認めるのか、治療後の経過も調べた研究をご紹介します。


Behavioral effects of multiple-dose oxytocin treatment in autism: a randomized, placebo-controlled trial with long-term follow-up

自閉症スペクトラム障害の成人におけるオキシトシンの行動に関する効果


知能低下を伴わない自閉症スペクトラム障害がある成人40人(平均25歳)が対象となりました。


4週間毎日24単位のオキシトシンを鼻腔内に投与し、治療終了直後、1ヶ月後、1年後の症状経過を調べました。


結果として、以下の内容が分かりました。

①主な指標であった社会的な反応性を調べる尺度では、明らかな改善を認めなかった。

②同時に調べた他の尺度(反復行動や愛着、活力)では、治療終了後の長期に渡って改善を認めていた。


つまり、“オキシトシンの鼻腔内投与は、自閉症スペクトラム障害の症状のうち一部で、長期に渡る効果を認める可能性がある”ということです。


しかし、ごく少数例での研究であり、当初より主な指標として定めていた尺度の結果ではないので、結果を慎重に解釈し、今後の検証を待った方が良い内容であると思われました。

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