
マジックマッシュルームの成分として有名なシロシビンが、うつ病等の精神疾患の改善に有効であることが指摘されてきました。
今回は、アルコール使用障害に対して心理療法とシロシビンを組み合わせた治療の有効性を調べた研究をご紹介します。
Percentage of Heavy Drinking Days Following Psilocybin-Assisted Psychotherapy vs Placebo in the Treatment of Adult Patients With Alcohol Use Disorder
A Randomized Clinical Trial
アルコール使用障害に対するシロシビン補助の心理治療と偽薬を多量飲酒の割合で比較した結果
アルコール依存の基準を満たす25~65歳の95人(平均46歳、44.2%が女性)が対象となりました。
対象者をランダムに、シロシビン+心理療法(動機づけ強化療法 or 認知行動療法)と偽薬+心理療法のグループに振り分け、その後32週間の多量飲酒の日の割合を比較しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・シロシビンのグループでは多量飲酒の日が減っていました(シロシビン9.7% vs 偽薬13.9%)。平均の飲酒量も低下していました。
・重大な副作用はありませんでした。
要約:『アルコール使用障害の心理療法にシロシビンの使用を追加することにより、飲酒量を低下する効果が増強されるかもしれない』
シロシビンは精神疾患の治療として注目度が高まっている物質ですが、今回、アルコール使用障害に対して心理療法に追加するかたちでの有効性が考えられました。
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