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ストレス関連疾患後には脳の変性疾患が増加する?

執筆者の写真: もりさわメンタルクリニックもりさわメンタルクリニック

PTSD等の強いストレスを生じた後では、その時の精神症状のみではなく、様々な身体的異常が生じることがあります。そのうちの一つとして、脳の変性疾患も増加するのではないかということが指摘されています。


今回は、PTSDのみではなく様々なストレス関連疾患(PTSD、急性ストレス反応、適応障害等)に罹患した後には、脳の変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症等)を発症しやすくなるのか調べた研究をご紹介します。


ストレス関連障害とその後の神経変性疾患


スウェーデンにおける全国の保険登録を用いた研究で61,748人の男性(と条件を適合させた比較対照)が調査の対象となりました。


経過の観察を開始した平均年齢は47歳、経過観察を行うことができた平均期間は4.7年でした。


結果として、ストレス関連の疾患名を診断された後には、神経変性疾患が増えていました(1.57倍)。疾患ごとで見てみるとアルツハイマー病(1.36倍)、パーキンソン病(1.20倍)、筋萎縮性側索硬化症(1.20倍)となっていました。


ストレス性の要因がどのように神経の変性を引き起こすのか、仕組みまでははっきりしませんが、今のところは脳血管を介した仕組みが想定されているようです。


ストレスの要因であっても、広く身体的反応を引き起こすことが多く、ストレスの影響は身体面でも長い経過で注意が必要であると思われました。


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