COVID-19によるパンデミック期間中のうつや不安・物質障害について、年代によって傾向は異なりますが、様々な影響が認められています。
今回は、カナダにおいて臨床医の精神・物質使用障害(それを理由とする外来受診)について調べた研究をご紹介します。
カナダのパンデミック期間中における臨床医の精神・物質使用障害関連の受診
カナダのオンタリオ州における研究で34,055人の臨床医(平均41.7歳)が対象となりました。
パンデミック期間中(2020年3月11日~2021年3月10日)の精神・物質使用障害に関する受診行動を調べて、前年と比較しています。
結果として、以下のことが示されました。
①臨床医による精神・物質使用障害関連の受診数は前年よりも全体で27%増加し、一人あたりでは13%増加していました。
②一つ以上の精神疾患や物質使用障害と診断された臨床医の割合は12.3%から13.4%に増加していました。
つまり、“カナダにおいて、パンデミック期間中に臨床医の精神状態を理由とする受診行動は全体と、一人あたり両方の指標で増加している”と言えそうです。
パンデミック期間中における医療者の“燃え尽き”が指摘されていますが、長期間の援助を継続するためにも自分たちの健康管理に留意する必要性を感じました。
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