今回は、パンデミック期間中における思春期の希死念慮・服毒・自傷について、救急受診や入院がどのように変化したのか調べた研究をご紹介します。
Emergency department visits and hospital admissions for suicidal ideation, self-poisoning and self-harm among adolescents in Canada during the COVID-19 pandemic
パンデミック期間中における思春期の希死念慮・服毒・自傷
カナダにおける研究で、10~18歳の若年者を対象としています。
パンデミック前(2015年4月~2020年5月)とパンデミック期間(2020年4月~2022年3月)を比較して、自殺関連行動による救急受診や入院について調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・希死念慮、服毒、自傷に起因する救急受診が全体の救急受診に占める割合は、パンデミック前→パンデミック期間で、2.30%→3.52%とわずかに増加しているものの、統計的には明らかな差異ではありませんでした。
・入院に関しては、7.18%→8.96%で増加を示しており、この差異自体は統計的に大きな差異とはいえませんでしたが、傾向を調べる分析方法では意味のある増加傾向となっていました。
要約:『パンデミック期間には思春期の希死念慮等に由来する入院が増加傾向を示していた』
パンデミック期間など、外部環境との接触や他者との交流が制限される条件では、希死念慮に基づく行動化のリスクが増加する可能性を考える必要性を感じました。
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