ビタミンDや魚油のサプリメントが、うつ病の予防に役立つのではないかという指摘があります。
今回は、やや以前(2020年)の論文ですが、ビタミンDの長期高用量での補充により、うつ病の発症率がどのような影響を受けるのか調べた研究をご紹介します。
Effect of Long-term Vitamin D3 Supplementation vs Placebo on Risk of Depression or Clinically Relevant Depressive Symptoms and on Change in Mood Scores
うつ症状尺度で見たうつ病(臨床的うつ症状)に関する長期ビタミンD3投与と偽薬の比較
18,353人の成人(平均67.5歳、49.2%が女性)が研究の対象となりました。
高用量のビタミンD3を平均5.3年を服用し、うつ症状を含んだ精神症状の尺度(PHQ-8)で、経過を観察しました。
結果として、うつ病やうつ症状の発症・再発に関して、ビタミンDを服用していても大きな違いはありませんでした(リスクの目安であるハザード比0.97倍)。
要約:『ビタミンDを長期にわたって高用量服用していても、うつ病の予防には効果がない可能性がある』
比較的規模が大きく、偽薬を対象としており、信頼性は高いと思われます。この研究結果から考えると、少なくともうつ病予防に関する効果を期待して、ビタミンDを服用することには大きな意味がないかもしれません。
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