不登校の診療では、対人関係についての著しい不安から、社会的場面を避けるようになる社交不安の要素が大きいと思われる例を多く経験します。
今回はスペインの研究で、不登校と社会不安・家族機能の関連を調べた研究をご紹介します。
不登校の危険因子: 思春期における社会不安や家族機能
スペインの15~18歳の青年男女1,842人(平均16.43歳、53%が女性)が対象となりました。
不登校の尺度: School Refusal Assessment Scale-Revised (SRAS-R)、社会不安の尺度: Social Anxiety Scale for Adolescents (SAS-A)、家族機能に関する認知の尺度: Family APGAR Scale (APGAR: 適応Adaptation, パートナーとの関係Partnership, 成長Growth, 感情Affection, and 解決Resolve) を調べて、出席状況との関連を調べました。
結果として、不登校の状態にある場合には、社会不安の尺度全てにおいて高く、家族機能に関する尺度が明らかに低くなっていました
原因・結果の関係は明らかでは有りませんが、つまり“不登校の状態にある思春期の子どもは、社会的場面での不安が高度で、自分の家族への葛藤を感じやすい”と言えるかもしれません。
不登校の場合に、社交不安と家族機能の改善を意識したアプローチが必要であると感じました。
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