体罰の影響については、反対派と賛成(擁護)派の意見があり、依然として議論のあるところです。
大勢としては、子どもへの行動や精神面での悪影響を強調する意見が多いかと思われますが、まだ規律順守を図る手段として有効とする意見も根強く存在します。
今回は、最近の研究を概観して発表されたまとめ(医学雑誌“Lancet”より)をご紹介します。
Physical punishment and child outcomes: a narrative review of prospective studies
近年の体罰に関する研究69本(前向きの経時的研究)の内容として、以下のようにまとめられいます。
・体罰はその後の時間経過の中で、行動上の問題を一貫して予測している。
・体罰はその後の良い影響を示す結果と関連しない。
・体罰はその後の児童保護制度の利用と関連する。
・実験的な研究で、体罰はその後の問題行動を悪化させる可能性が示されている。
・子どもや親の性格に関わらず、体罰と子どもの経過の悪化との関連は一貫している。
・体罰と不良な経過との関連には、一部で用量依存性(片方が多ければ、もう一方が増えるという関係)を認めている。
全体として、体罰は子どもの行動を改善する上で効果を上げず、元の性格とは無関係に、その後の経過を悪化させる可能性が考えられました。
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