
認知症などの精神疾患と大気汚染の関連が指摘されてきました(後から別の介在する要素が指摘されている場合もあります)。
今回は、運動の固さや震え、歩行障害が出現する代表的な神経疾患であるパーキンソン病について、大気汚染との関連を調べた研究をご紹介します。
パーキンソン病のリスクとNO2等の大気汚染との関連
韓国における後ろ向きのコホート研究というデザインの研究で、都市部に済む78,830人(平均54.4歳)が対象となりました。
住んでいる地域から大気汚染に対する暴露量を推定し、2007~2015年の経過を調べたところ、以下の内容が示されました。
①NO2の曝露量とパーキンソン病と発症リスクが関連していました(ハザード比:1.41)。
②大気汚染に関して注目されるその他の物質PM2.5、PM10、O3、SO2、COは関連していませんでした。
つまり、“大気汚染はパーキンソン病の発症に影響を与えており、特に二酸化窒素との関係が深い”可能性が示されました。
しかし、後から付随する別の要因(交絡因子)が見つかる場合もあり、メカニズムが明らかでないうちは、二酸化窒素⇒パーキンソン病と断定することは難しいと思われました。
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