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大量飲酒における感覚過敏の出現


アルコール離脱においては、“振戦せん妄”という、アルコールをやめてから48~72時間後に生ずる不安や錯乱を伴う意識障害が有名です。


今回は、アルコール離脱に伴う痛みなどの感覚過敏の出現について調べた研究をご紹介します。


大量飲酒者における飲酒エピソード後の感覚過敏


研究参加者を以下のグループに分けました。

①全く飲酒しない人(43人)

②普段から中等量飲酒者で、48時間以内の飲酒あり(50人)

③普段から中等量飲酒者で、48時間以内の飲酒なし(23人)

④普段から大量飲酒者で、48時間以内の飲酒あり(36人)

⑤普段から大量飲酒者で、48時間以内の飲酒なし(25人)


上記のうち、④大量+最近飲酒のグループで、痛みを感じやすくなっており、④、⑤の両方(大量飲酒がある場合)は基礎的なエピネフリン濃度が高くなっていました。


つまり、特に普段から大量にお酒を飲む人ではアルコール濃度が低くなる過程で痛みなどの感覚過敏が生じやすく、背景にはエピネフリンの過剰分泌の存在が疑われる、ということのようです。


診察場面で、アルコールが抜けてくると全身の痛みが生じる方がいますが、こうした感覚過敏のしくみが関連しているのかも知れません。

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