女性ホルモンは血管に対して保護的に作用し、女性が男性に比較して長命であることの一つの要因であると言われています。
また、50歳前後に生じる女性ホルモン低下による自律神経症状や精神症状等を含めて更年期障害と言い、ホルモン補充療法が検討されることがあります。
今回は、生涯の女性ホルモン(エストロゲン)分泌量やホルモン補充療法と、老年期の認知能力との関連を調べた研究をご紹介します。
生涯のエストロゲン曝露量と後年における認知能力
研究がスタートした時点では認知能力低下のない2,114(平均74.94歳)の女性が調査の対象となりました。
初潮と閉経の時期、生殖関連イベント/行動によって生涯に渡る女性ホルモンの曝露量が計算されました。また、ホルモン補充療法についても、種類と開始時期が調べられました。
結果として、生涯の(体内から分泌される)女性ホルモン量が多いほど、また、ホルモン補充療法の実施期間が長いほど、老年期の認知機能は高く保たれていました。
そして、ホルモン補充療法の影響は年齢を重ねるほど大きくなり、老年期の認知機能維持に貢献していることが分かりました。
上記の結果より、体内からでも、体外からでも、女性ホルモンが多いほうが認知機能は高く保たれると思われました。
女性ホルモン補充療法については、副作用についての指摘もあり、積極的な適用に議論がありますが、内分泌や補充による女性ホルモンは、認知機能の点からは有利に働くようです。
#認知症
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