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一般的に解熱剤・鎮痛剤の中でも、アセトアミノフェンは妊娠中の使用が認められており、明らかな胎児への影響はないとされてきました。
今回は、胎便中のアセトアミノフェンをサンプルに使用することで、アセトアミノフェン服用(あるいは濃度)と出産した児のADHD発症との関連を調べた研究をご紹介します。
妊娠中のアセトアミノフェン暴露(胎便中の測定)と前頭-頭頂葉ネットワークによって介在されるADHDのリスク
カナダにおける研究で、345人の子ども(177人が男性)について、胎便中のアセトアミノフェンと6~7歳のADHD診断の関連について調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
①胎便中のアセトアミノフェン陽性とADHD診断は関連しており(オッズ比: 2.43)、用量反応関係(胎便中の濃度が倍になるとオッズ比が10%上昇)を認めました。
②アセトアミノフェンを認めた場合には、前頭-頭頂葉ネットワークの低下を認め、これが多動の上昇を介在していました。
つまり、妊娠中にアセトアミノフェンを服用すると子どものADHD発症リスクを高め、これは脳の神経接続の低下を背景としている可能性があります。
従来、安心とされてきた薬剤でも、発達障害まで影響の範囲に含めると服用の危険性について再検討する必要性を感じました。
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