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片頭痛に対しては、しばしばトリプタン製剤が使用されますが、妊娠中の使用について胎児への影響が心配されることがあります。
今回は、妊娠前や妊娠中にトリプタン製剤を使っていた場合の胎児への影響について、出生後のADHD症状・診断に関するデータを分析した研究をご紹介します。
妊娠期のトリプタン製剤使用とADHDのリスクについて
ノルウェーにおける研究で、ADHD診断については10,167人、ADHD症状については4,367人の子どもが対象となりました。
ADHD診断については全国の疾患登録データ、ADHD症状については5歳時のADHD尺度( Conners’ Parent Rating Scale)が用いられました。
結果として、以下の内容が示されました。
①10年の経過観察で、妊娠前・妊娠前のトリプタン製剤の服用により、ADHD診断の明らかな増加はありませんでした。
②5歳時のADHD症状についても、トリプタン製剤の服用による違いは明らかではありませんでした。
つまり、“妊娠時期における片頭痛薬(トリプタン製剤)は、胎児のADHDリスクについて、影響を与えない可能性が高い”と言えそうです。
片頭痛では妊娠中も耐え難い症状を認める場合が多く、胎児のADHD発症リスクに関してはトリプタン製剤の使用を許容しても良いと思える結果でした。