パンデミック期間に、行動範囲の減少、気分転換法の喪失、家族内葛藤の増加等、子どもの精神状態悪化に繋がりそうな要素が増えていると予想されます。
今回は、子供に関して、具体的にはどの程度うつや不安が増加しているのかを調べたまとめの研究をご紹介します。
パンデミック期間中の子どもにおけるうつや不安の分布について
英語で報告された論文を検索し、29の研究(18歳以下、80,879人の参加者を含む)が分析の対象として選ばれました。
世界の子どもにおけるうつや不安について、以下の内容が示されました。
①症状の増加を認めた子どもの割合はうつに関して25.2%、不安に関して20.2%でした。
②パンデミック前に比較して、うつや不安は2倍に増加していました。
③パンデミック期間に入って最近の統計になるほど、年齢が高いほど、女性の方がうつや不安が多くなっていました。
つまり、“4~5人に1人くらいの割合で、子どもたちはうつや不安の悪化を経験している”と言えそうです。
長期化するにつれてさらに悪化する場合と、一定の適応が得られる場合もありそうですが、可能な限り活動のバリエーションを保つなどの工夫が大切であると思われました。
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