子どもの身体に対する平手打ちは、しつけの範囲と捉えられている家庭もあるかもしれませんが、脳への影響について実際はどのように作用しているのでしょうか?
今回は、脳の働きの分かる画像検査を用いて、平手打ちをされた経験の影響を調べた研究をご紹介します。
子どもにおける体罰と恐怖に反応した神経活動の亢進
身体的あるいは性的“虐待”を経験してないとされる子ども147人(平均11.6歳)が研究の対象となりました。
平手打ちの経験がある40人と経験のない107人の様々な表情の写真に対する反応を機能的MRIという画像を用いて調べました。
結果として、平手打ちの経験がある場合には、経験のない場合に比較して、恐怖を感じさせる表情に対する脳の反応が強くなっていました。
この反応は、激しい虐待体験によって活動が亢進する領域(前頭前野や前帯状皮質等)と一致しており、平手打ちはいわゆる“虐待”と同様の反応の引き起こす可能性が示されました。
親の立場での認識とは無関係に、身体的接触をともなう罰は、子どもの脳に同様の影響をもたらし、恐怖への反応を賦活する影響があるようです。
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