原因となる1次性の疾患(今回の場合は頭部外傷)があって、結果として起こってきたと考えられる2次性のADHDがあります。
頭部外傷後には、衝動性が強くなったり、注意障害が起こったりすることが知られてはいますが、どの程度の割合で、他に関連する要素があるのか調べたのが、今回ご紹介する研究です。
外傷性脳損傷後5~10年の子どもにおける2次性ADHD
事故以前にはADHDが無かった187人(平均5.1歳、108人が男性)が研究の対象となりました。
上記のうち81人は外傷性脳損傷、106人は比較するための整形外科的外傷でした。
外傷後、一定期間ごとにADHD症状の評価を行い、約7年後まで経過を観察しました。
結果として以下の内容が示されました。
①重症の外傷性脳損傷があった場合は、整形外科的な外傷と比較して3.62倍ADHDとなりやすい。
②ADHDとなる可能性を下げる要素として母親の高学歴、可能性を上げる要素として家庭の機能不全がありました(この影響は整形外科外傷ではほとんど認めませんでした)。
つまり、“頭に重いケガをした場合には、ADHDの症状が出やすくなる。環境が悪いとさらに影響が出やすくなる”と言えそうです。
生来性のADHD以外にも、このような症状としてのADHDについて注意して経過をみる必要性を感じました。
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