うつ病を発症した後、休養や環境の調整、薬物療法もある程度効果をあげて、症状がかなり軽減したにも関わらず、気分の落ち込みや不安が拭いきれない場合があります。
このようなうつ病の残遺症状に対しては、薬物療法の効果も限定的で、生活の改善や認知療法を試みることがありますが、ご本人の治療参加の姿勢にも左右される点があり、長期に渡って同様の状態が維持されてしまう場合があります。
上記のような慢性化した症状に、ウェブ上のマインドフルネス(を基礎とした認知療法)が効果を示すのかを調べた研究をご紹介します。
残遺型うつ症状に対するマインドフルネスに基づいたオンライン認知療法の効果
慢性化したうつ症状のある460人が調査の対象となりました。230人ずつの2つのグループに分けられ、一方は通常の治療に加えてウェブ上のマインドフルネスを追加し、もう一方は通常の治療のみを行いました。
ウェブ上のセッションは8回行われ、最小限の電話やメールによる指導が加わる形式でした。
結果として、マインドフルネスを追加した方について、以下の内容が示されました。
①より大きな気分の落ち込みの改善と不安の軽減を認めた。
②寛解率(PHQ-9という指標で5未満)が高かった。
③気分の落ち込みや不安を感じない日が多く、生活の質が高くなっていた。
以上のように、ウェブ上であってもマインドフルネスには追加の治療法としての意義があることが示されました。
心理療法を実際に対面して行うには資源が非常に限られており、こうしたウェブ上の手法がこれからも増えていくと思われますが、少なくとも通常の治療への追加として、選択肢に加えることは有効と思われました。
#マインドフルネス
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