長期に渡るストレスはアルツハイマー病発症のリスク要因となることが指摘されてきました。
今回は、その因果関係に視床下部・下垂体・副腎皮質系: hypothalamic–pituitary–adrenal axis (HPA axis)と呼ばれる内分泌系(ホルモン分泌)のしくみが介在しているのではないかという内容を説明した論文をご紹介します。
慢性ストレスとアルツハイマー病: 視床下部・下垂体・副腎皮質系と遺伝子、小膠細胞の相互影響
この論文では今までの研究の成果から、慢性ストレスがアルツハイマー病に影響するしくみについて、非常に大まかに言うと下記のように説明しています。
①慢性のストレス
↓
②視床下部・下垂体・副腎皮質系の反応(過剰な活性化)
↓
③副腎皮質ホルモンの上昇
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④免疫系の活性化(炎症)、小膠細胞の反応
↓
⑤脳細胞の変性(アルツハイマー病の発症)
つまり、仮説として“慢性のストレスからホルモンの分泌異常が起こり、炎症を惹き起こすことでアルツハイマー病(脳細胞の変性)が発症する”ということのようです。
現在、様々な薬剤の開発・発売が行われていますが、根本的で大きな影響を与えているメカニズムが分かるとより効果の高い薬剤開発につながるのではないかと期待されました。
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