
抗うつ薬による治療を行っている期間中に、医師の指示によらず、患者さんの判断による“自己中断”が生じることがあります。
様々な理由が考えられますが、今回はこのような自己中断に関して、割合や理由などを調べた研究をご紹介します。
Antidepressant Self-Discontinuation: Results From the Collaborative Psychiatric Epidemiology Surveys
抗うつ薬の自己中断
精神疾患関連のアンケートで、過去に抗うつ薬を使っていたと答えた1411人が分析の対象となりました。
結果として以下の内容が示されました。
①全体の313人(22%)が、抗うつ薬の自己中断をしたことがありました。
②不安障害や物質障害の存在、精神科医以外からの供給の場合には自己中断の割合が高くなっていました。
③理由として最も多かったのは、効果の無さや副作用でした。
つまり、5人に1人程度で薬剤の自己中断が発生し、抗うつ薬の効果を実感できなかったり、副作用が理由として多いようです。
診察で感じている内容と大きなギャップはありませんでしたが、より効果の内容や出現時期、副作用に関する説明を行うことが必要であると感じました。
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