授乳中の場合は、できるだけあらゆる薬剤の服用を避けるのが一般的だとは思います。
必要な時には、漢方薬を選択したり、最小限の量を検討して通常の薬剤を処方し、薬剤の半減期等を考え、服用後の一定時間授乳を中止できないか検討する場合もあり得ると思われます。
いずれにしても、薬剤の乳児への移行を可能な限り0に近づけるように考慮します。
今回は抗てんかん薬を服用中の母親が授乳した場合に、実際にどの程度乳児への移行が生じるのか血液サンプルから測定した結果の研究をご紹介します。
授乳による乳児の抗てんかん薬への暴露
351人の母親が調査の対象となり、このうち222人について授乳が行われていました。
以下のような結果が得られました。
①抗てんかん薬を服用しながらの授乳のうち49%では、乳児の血中濃度は測定できないレベルでした。
②バルプロ酸、カルバマゼピン、レベチラセタム等7種の抗てんかん薬の母親から乳児への移行の割合は0.3%~44.2%と大きな幅がありました。
③ラモトリギンにおける母と乳児の血中濃度の関係については、母の血中濃度に依存するかたちで、乳児の血中濃度が高くなっていました。
上記のように、抗てんかん薬を服用して授乳を行っていても、半数では移行が確認できないレベルであったり、抗てんかん薬の種類によっては最小限の量を使用することで、乳児への移行を非常に少なくすることが可能であることが分かります。
母乳での栄養を行うことによる様々なメリットを考えると、(少なくとも抗てんかん薬については)母が薬剤を服用している全ての場合において授乳を中止するのは、移行の可能性に対する過剰な反応と言えるのかもしれません。
#てんかん #妊娠と薬物治療
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