抜毛症に対しては、一部で抗うつ薬・抗不安薬・漢方薬等が用いられていますが、全体的には有効な薬物療法が乏しいのが現状です。
昨日は、フルオキセチン(抗うつ薬)の抜毛症に対する短期的効果を確認した試験をご紹介しました。
今回は、より長期でのクロスオーバー試験(偽薬と実薬のグループ入れ替えを含む研究懸隔)の結果についてご紹介します。
A long-term, double-blind, placebo-controlled crossover trial of the efficacy of fluoxetine for trichotillomania
抜毛症に罹患した23人が試験に参加しました。
薬剤投与期間をフルオキセチンと偽薬、それぞれ12週間で設定し、間に影響を排除するための休薬期間を設けました。
結果として、週当たりの抜毛の州照度、抜毛に対する衝動の程度、推定の抜毛量、抜毛した日数において、フルオキセチンと偽薬で、明らかな差異はありませんでした。
要約:『フルオキセチンの抜毛症に対する効果は比較的長期(3か月)の経過においても明らかではない』
前回同様、フルオキセチンの効果は明確ではありませんでした。実際の臨床では、種々の薬剤が組み合わせて使用されており、不安やうつ症状を背景とする場合には有効な場合もありますが、抜毛症単独に焦点を絞った薬物療法の効果は限定的なのかもしれません。
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