早期の出産や出産時の低体重は、程度によっては児童期の知能低下と関連すると指摘されてきました。
今回は、比較的正常との差が大きい(早期産については32週未満、低出生体重については1500g未満)の場合に、成人期の知能とどのように関連するか複数の研究をまとめた結果をご紹介します。
早期産・低出生体重と成人期知能との関連
全体で13の研究がまとめられ、2135人(平均24.6歳、1163人が女性)が含まれました。
32週未満の早期産、あるいは1500g未満の低出生体重があった場合に成人期の知能に対してどのような影響を与えるのかを調べました。
結果として、早期産や低出生体重であった場合について、以下の内容が示されました。
①(他の要素を調整する前の分析で)平均して、正常出産に比較し、IQ12の低下がありました。
②早期産・低出生体重であったグループの中では、より早期の出産、より低体重、呼吸器系の低形成、脳室内出血等が知能低下と関連していました。
つまり、関連する様々な要因が考えられますが、“一定以上の早期産・低出生体重は、成人期の知能低下と関係する”と言えそうです。
療育が適切に行われたか等、環境の要因によっても変動すると思われますが、出産時の状況によるリスクを正確に把握する必要性を感じました。
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