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歩くスピードと認知テストの組み合わせで認知症リスクを正確に予測する


通常は記憶などに関する認知テストで、認知症の機能的評価を行うことが多いのですが、身体的な側面からの評価も有効であるかもしれません。


今回は、認知テストに歩く速さの評価を組み合わせるとリスク評価がどのように影響されるのか調べた研究をご紹介します。


高齢者で認知と歩く速度の両方で低下を認めた場合の認知症リスク


比較的健康な高齢者19,114人が参加し、そのうち歩行と認知にについてのデータが得られた16,855人(平均75.5歳)が対象となりました。


認知と歩行速度の変化、認知症の発症について、5~6年間の経過観察を行いました。


結果として、以下の内容が示されました。

①歩行速度だけ、認知テストだけよりは、歩行速度と認知テストの両方を組み合わせたほうが、認知症リスクを正確に予測していました。

②特に歩行速度+HVLT-R(言葉を覚える認知テスト)で低下が大きい場合では認知症のハザード比24.7倍、歩行速度+3MS(良く使用される認知テストの簡易版)で22.2倍となっていました。


つまり、“通常行われる認知テストだけよりは歩行速度を調べると、認知症の発症をより正確に予測できる”と言えそうです。


診察室内での実施を考えると困難を感じますが、安全で広い場所を確保できるならば有用性の高い評価項目なのかもしれません。

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