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生殖補助医療(ART)による出産で、その後の気分障害が増えることはない


生殖補助医療(ART)については、その後の生育に関して様々なデータがありますが、今回は気分障害関連の精神疾患について調べた大規模な研究をご紹介します。


生殖補助医療による出産後の精神障害に関する長期経過


スウェーデンの医療データを用いた研究で、1994年~2006年に生まれた1,221,812人(48.6%が女性)が対象となりました。


対象者のうち31,565人(2.6%)が生殖補助医療(ART)を用いており、その後平均18歳までの経過を観察しました。


結果として、以下の内容が示されました。

①うつや不安障害、自殺に関しては明らかな差がありませんでした。

②強迫性障害に関しては、相対的なリスクの上昇(ハザード比1.35)がありましたが、これは両親の性格的な要素で調整すると有意ではありませんでした。


つまり、“気分障害関連の精神疾患に関して、生殖医療はネガティブな影響を与えない可能性が高い”と言えそうです。


今回の研究でも交絡因子として扱われていますが、生殖補助医療(ART)については、両親の性格的要因や経済状況などの傾向についても考慮し、研究結果を慎重に解釈する必要があると思われました。

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