睡眠薬の量は認知能力低下とは関連しない?


昨日は、うつ等の感情障害の影響を除くと、睡眠薬投与と認知症には関連がないのではないか、という内容の研究をご紹介しました。


今回は、少し以前(2016)の論文になりますが、研究のスタートから高齢者を対象として服薬(量)との関連を調べた研究について説明させてください。


Benzodiazepine use and risk of incident dementia or cognitive decline: prospective population based study

ベンゾジアゼピン使用と認知症や認知能力低下のリスク


アメリカ(シアトル)における研究で、研究のスタート時点では認知症のなかった65歳以上の3,434人(平均74歳)が対象となりました。


結果として、以下の内容が示されました。

①最も高い用量のグループでは、無使用の場合と認知症の発症に明らかな差は認めませんでした。

②低用量のグループと中等量のグループでは、無使用の場合に比べるとわずかに認知症の発症が多くなっていました。(低用量のグループにおけるハザード比:1.25、中等量では1.31)


つまり、低用量と中等量ではわずかに認知症が多くなっているものの、高用量では差がみられていないので、認知症発症と睡眠薬の使用には関連が(少なくとも使用量による違いは)ないのではないか、ということになりそうです。


しかも、睡眠薬や抗不安薬の使用に伴いやすいうつや不安の症状は認知症の前駆症状のこともあり得るので、わずかにみられた差異も、認知症発症との明らかな関連とみることは難しいようです。


今回の研究では対象を高齢者に限定していましたが、この場合でも睡眠薬や抗不安薬の使用(や使用量)と認知能力低下との関連ははっきりとはしませんでした。


#認知症 #睡眠薬

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