
短期間の心理療法で、一時的には(治療レベルではない)不安やうつが改善しても、その効果の持続期間が問題となることがあります。
今回は、マインドセット(思考様式)に関するコンピューターを用いたプログラムで、若者の不安やうつに対する持続的な改善効果が得られるか調べた研究をご紹介します。
若者の不安やうつに対する単回のマインドセット(思考様式)プログラムの効果
不安や気分としての抑うつのある12~15歳の若者(ハイリスク・グループ)96人が研究の対象となりました。
パーソナリティは変えられないものではなく、成長とともに変化するものであるという前提に立つマインドセット(思考様式)に関するプログラムを30分間行い、9ヶ月後の不安やうつの経過を調べました(本人と両親による報告)。
結果として、以下の内容が示されました。
①両親が報告するうつや不安では、支持的対応だけのグループに比較して明らかに高い改善効果を認めました。
※うつで 有効性の目安である効果量d =0.60、不安で d =0.28
②本人が報告するうつや行動制御で高い効果を認めていました。
※うつで効果量d =.32行動制御でd =0 .29
今回ご紹介した研究では持続的な思考様式に焦点を当てた介入を行っており、介入の内容によっては、うつや不安に対する効果も持続的となりうる可能性を示していました。
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