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統合失調症ではCOVID-19感染後の悪化が多くなる


統合失調に罹患していた場合、生活習慣病を合併するとその後の経過について、通常の場合よりも身体的影響が大きくなることが知られています。


今回は、統合失調症にCOVID-19感染が合併した場合にはどのような影響が出るのか調べた研究をご紹介します。


統合失調症患者におけるCOVID-19感染症の有病率と死亡率


統合失調症患者と比較対照を行うための健常者、合わせて51078人が研究の対象となりました。


統合失調症に罹患者とそうでない場合とで、COVID-19陽性の割合や感染後の入院率、死亡率を比較しました。


結果として、以下の内容が示されました。

①COVID-19陽性率は統合失調症患者では健常者より低くなっていました。

②統合失調症であった場合、感染後の入院率は約2倍、死亡率は約3倍になっていました。

③上記の入院率、死亡率の増加は、社会経済的要素、肥満・喫煙・高血圧・糖尿病等のCOVID-19感染症悪化のリスクを調整した後でも大きく変わりませんでした。

つまり、“統合失調症であった場合にCOVID-19に感染すると、その後の入院や死亡に至る割合が通常より多くなる”と言えそうです。


生活習慣病で指摘されているように自己ケア能力の低下による影響なのか、他に生物学的な原因があるのか分かりませんが、精神疾患に他の身体疾患を合併したときのリスク上昇には常に注意が必要であると思われました。


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