統合失調症は(1回だけの急性のエピソードを除いて)非常に長期間にわたる薬物治療が必要であると言われます。
その中で、効果と副作用を見極め、薬剤の維持量を検討することが大切と思われます。
症状が安定している統合失調症の再発予防に必要な抗精神病薬投与量を調べる
72の投与量選択肢と4776人の参加者を含む26の研究が今回の分析(メタアナリシス)に含まれました。
症状の尺度(PANSSやBPRSといった頻用される評価尺度)や再入院を目安として、様々な用量で再発の割合や副作用がどのように異なるのか調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
①抗精神病薬の代表としてリスペリドン換算量で5mg/日まで、再発率が減少するカーブを描く。
②リスペリドン換算量5mg/日を越えると副作用による治療中断等が目立ち、治療上の有益性が低下する。
つまり、“統合失調症の維持療法では、再発率や副作用から考えて、1日に5mgくらいの投与量がちょうど良い”ということです。
再発を予防するするための投与量は個人差も大きいと思われますが、標準的な維持量の目安として客観的なデータを知っておくことは必要であると思われました。
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