脳梗塞や出血による脳卒中では、後遺症としてうつ症状をしばしば認めます。
中には希死念慮を伴う、重度のうつとなることもあり、経過に注意を要します。
今回は、脳卒中後のうつ症状について、経時的に経過を追った研究をご紹介します。
脳卒中後のうつ症状に関する経過の性差
イギリス(ロンドン南部)の脳卒中に関する登録データが用いられました。
脳卒中を認めた男性1275人、女性1038人について卒中後3ヶ月と毎年、うつと不安に関する尺度を用いて症状の変化を調べました。
結果として、症状が少なく安定している人(男性約40%、女性約30%)、症状が重度の人(男性約10%、女性約20%)となっており、女性の方がうつ症状が重い傾向がありました。
また、うつ症状の重症度と10年後の死亡率は関連を示しており、特に女性の脳卒中では長い経過でうつ症状の観察を行う必要性を感じました。
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