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自閉症スペクトラムでは自傷・自殺がどのくらい多いのか?


自閉症スペクトラム障害では自傷・自殺が多いことが、以前から指摘されてきました。


今回は、多くの研究を分析して、一般的人口と比較してどのくらいの差があるのか、全体としての知見を得ようとした研究(メタアナリシス)をご紹介します。


自閉症スペクトラム障害の子ども・成人における自傷行為のリスク


自閉症スペクトラムの自傷行為と自殺関連事象(自殺企図・希死念慮を含む)に関する31本の研究が分析の対象となりました。


16本が子ども(20歳未満)について、13本が成人(20歳以上)、2本が子どもと成人の両方について調べた研究でした。


研究を統合した結果、以下の内容が示されました。

①まず、自傷行為については自閉症スペクトラム障害の場合には、一般人口と比較して3.18倍となっていました。

②自殺関連事象に関しては、同様に3.32倍となっていました。

③子どもと成人との差異は明らかではなく、概ね一貫していました。


つまり“自閉症スペクトラム障害の場合には、自傷行為・自殺が(子ども・大人に関わらず)およぞ3倍増加する”可能性が示されました。


合併する逸脱行動の中でも最も注意が必要な事象であり、具体的なリスク評価が重要であると感じました。

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