自閉症スペクトラム障害で用いられる処方の傾向


自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性そのものに対しては今のところ、明らかに効果があると認められている薬剤はありません。(少なくとも広く認められている薬剤はありません)


しかし、ASDで2次的に認めるうつや不安、不眠、感覚過敏、強迫症状等に関しては、薬物療法が用いられることがあります。


今回は、そのように自閉症スペクトラムに行われている処方について、一般的な傾向を調べた研究をご紹介します。


Medication Use in the Management of Comorbidities Among Individuals With Autism Spectrum Disorder From a Large Nationwide Insurance Database

自閉症スペクトラム障害の合併症に対する薬物使用


2014~2019年の処方データ(自閉症スペクトラム障害に罹患した26,722人:平均14.45歳のデータ)が調査されました。


結果として以下の内容が示されました。

①多剤併用は一般的で、28.6~31.5%で認められました。また、処方内容は頻繁に変更される傾向がありました。

②処方されている中で最も多かったのはADHDに対する処方(11.6~17.8%)と不安障害(13.1~30.1%)でした。


つまり、“自閉症スペクトラム障害に対する薬物療法は、併存する疾患によって異なり、多剤併用・頻繁な変更となりやすい”ということが示されました。


定まった処方はなく、多彩な症状の対応に追われながら処方を行っている様子が現れていると感じました。

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