うつ病の補助的治療として脂質異常症の治療薬(シンバスタチン)が有効であると言われることがあります。
今回は、薬剤抵抗性のうつ病に対してシンバスタチンの効果を調べた研究をご紹介します。
Effect of Adjunctive Simvastatin on Depressive Symptoms Among Adults With Treatment-Resistant Depression
A Randomized Clinical Trial
薬物抵抗性うつに対する補助的なシンバスタチン投与の効果
薬剤抵抗性のうつ病と判断された150人(平均40歳、56%が女性)が対象となりました。
12週間の経過で、二重盲検(投与する側もされる側も偽薬か実薬か不明)のデザインで、シンバスタチンを飲む場合と、偽薬を飲む場合のうつ病の経過を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・主要な尺度として採用されていたうつ症状の尺度(Montgomery-Åsberg Depression Rating Scale)で、シンバスタチンと偽薬で明らかな差異はありませんでした。
・その他の尺度(Clinical Global Impression scale等、複数)でも差異は明らかではありませんでした。
要約:『シンバスタチンの薬剤抵抗性うつ病に対する効果は明らかではなかった』
うつ病全般に有効性がないということではありませんが、今回の結果では薬剤抵抗性にしぼった場合、シンバスタチンの効果ははっきりしませんでした。
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