昨日は、薬剤抵抗性うつ病に対する脂質異常症治療薬(シンバスタチン)の有効性(明らかではなかった)についてお伝えしました。
今回は、少し前の論文(2020年)になりますが、薬剤抵抗性うつ病に対して行う可能性のある増強療法の選択肢を比較した論文(メタ・アナリシス)をご紹介します。
Relative effectiveness of augmentation treatments for treatment-resistant depression: a systematic review and network meta-analysis
薬剤抵抗性うつ病に対する増強療法の比較
36本の論文が分析に含まれ、そのうち27本がネットワーク・メタ・アナリシスという間接的な分析に組み込まれました。
主剤(抗うつ薬)の増強を行う選択肢として、抗精神病薬(13試験)、気分安定薬(3試験)、NMDA受容体拮抗薬(5試験)、その他(3試験)が含まれました。
結果として、最も有効性が高かったのは、NMDA受容体拮抗薬(目安となる統計値 ES = 0.91, 95% CI 0.67 ~1.16)でした。
要約:『薬剤抵抗性うつ病に対して、抗うつ薬の作用を増強する選択肢としては、NMDA受容体拮抗薬の効果が最も高い可能性がある』
NMDA受容体拮抗薬として、最近ケタミンによる治療が話題となっています。長期的な副作用については懸念が残りますが、安全性が検証された上で、日本でも認可が待たれるところです。
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