昨日は、発達早期における虐待などの逆境体験が脳機能画像上の変化をもたらすのか調べた研究をご紹介しました。
そこでは、少なくとも蓄積されたデータから明らかな結果は出なかったのですが、今回は手法が異なる分析についてご紹介します。
Adverse Life Experiences and Brain Function
A Meta-Analysis of Functional Magnetic Resonance Imaging Findings
逆境体験と脳機能
逆境体験と脳の機能画像との関連を調べた83本の研究(5,242人の参加者)が分析の対象となりました。
画像データをMKDAと呼ばれる手法(multilevel kernel density analyses ) を用いて分析し、逆境体験の有無と画像から分かる脳機能との関連を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・逆境体験がある場合には、扁桃体の反応増加と前頭前野皮質の反応低下が生じていました。
・機能的変化は参加者のうち成人においてのみ認められ、重度の脅威や心的外傷にさらされた場合で最も明らかでした。
要約:『発達早期における逆境体験は脳の機能変化をもたらしている可能性があるが、結果は分析手法や対象の選択によっても異なる』
感情の中枢と言われる扁桃体の活動増加や、反応抑制を行うとされる前頭前野の活動低下からは、イベントに対する大きな感情的変化の原因となり得る可能性が考えられました。
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