昨日は、電気けいれん療法(ECT)で生じる医療事故の危険性が、実際には多くなっていない点をお伝えしました。
今回は、ECTの自殺防止効果について、大きな規模で確認した研究をご紹介します。
Electroconvulsive Therapy and the Risk of Suicide in Hospitalized Patients With Major Depressive Disorder
大うつ病で入院した患者における電気けいれん療法と自殺の危険性
スウェーデンの疾患データを元にした研究で、うつ病で入院した28,557人(ECTグループ平均55.9歳、非ECTグループ45.2歳)が対象となりました。
ECTの実施以外の条件が揃うようにマッチングを行い、ECTの実施による自殺リスクの変化について調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・ECTを実施したグループでは自殺のリスクが低下していました(ハザード比0.72倍)。
・特に精神病的特徴を伴う時(0.20倍)、45~64歳(0.54倍)、65歳以上(0.30倍)で自殺のリスクが低下していました。
・44歳以下では、自殺リスクは低下していませんでした(1.22倍)。
要約:『電気けいれん療法(ECT)は特に高年齢、精神病性の場合に、自殺リスク低下に有効かもしれない』
自殺リスクの軽減に定評のあるECTですが、効きやすい年代や特徴があるのかもしれません。
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