1回のマリファナ使用で精神病症状が増加する?

マリファナはアメリカの複数の州でその使用が合法化される等、法的な取り扱いや社会的な認知が変化しつつある物質です。
確かに疼痛に対する効果等、医療用の用途でも効用が確認されており、合法化されている他の物質に比較しても、健康に対する影響は少ないという意見があります。
今回は、マリファナ中に含まれるテトラヒドロカンナビノール(THC)やカンナビジオール(CBD)が、精神状態にどのような影響を与えるのか、複数の論文を統合した分析結果(メタ・アナリシス)をご紹介させてください。
Psychiatric symptoms caused by cannabis constituents: a systematic review and meta-analysis
麻薬の成分による精神症状
麻薬の成分(上記のTHCとCBD)の影響を調べた11の研究が分析の対象となりました。
結果として以下のことが示されました。
①一回のマリファナ使用に相当するTHCの分量で、精神疾患の既往が無かった場合でも、幻覚や妄想といった精神症状や不安・うつ等の非特異的な症状が出やすくなること