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食べ物とこころの健康


時々患者さんに質問されることがあります。

「日常生活でどんなことに気をつけた方がいいですか?」

これに対する答えとして、休養(睡眠を含む)、負担の大きい責務の回避、決定事項の先送り、家族とのコミュニケーション等、様々な領域でのアドバイスがあり得ると思うのですが、食生活については今一つオススメをはっきり示してこなかったような気がします。

糖分・蛋白・脂質のバランス、ビタミンや電解質の摂取量、玄米食やその他の穀物食、様々なサプリメント……色んなことを尋ねられるのですが、残念ながら明確な答えというものがないことが多いのです。特にサプリメントを持参されて「これは効きますか?」と訊かれたときは、医薬品とは違って試験や研究の対象となっていない場合がほとんどで、何とも言い難いことが多いです。

よって、うつなどの精神疾患と食生活の関係について訊かれたときにも、どうしても歯切れが悪くなるのですが、そんな中でもこれだけは正しそうなことがあります。

“野菜と果物はこころの健康に良い”

今回は特にこの野菜と果物摂取について研究した論文の紹介です。

“Intake of Raw Fruits and Vegetables Is Associated With Better Mental Health Than Intake of Processed Fruits and Vegetables”

(生の果物と野菜の摂取は加工されたものよりも精神的健康と関連する)

実はすでに果物や野菜を多く摂取することが、精神疾患の予防に有効であることには多くの証拠があります。詳細なメカニズムまでは不明ですが、多くの研究でこの点は一致しているのです。

今回はさらに踏み込んで、野菜や果物を「どのように」摂取すればより有効なのかという研究を行っています。

結果をまとめると以下のようになります。

①生の野菜や果物を多く摂取した場合、「うつの減少」、「陽気な気分の増加」、「生活の満足」、「繁栄の実感」が多くなっていた。それに対して、加工した野菜や果物の摂取は「陽気な気分」としか関連していなかった。

②次の10種の生の食物が精神的健康と関連していた。つまり、ニンジン、バナナ、リンゴ、ホウレンソウのような緑の濃い葉、グレープフルーツ、レタス、かんきつ類、液果(ベリー)、キュウリ、キーウィフルーツ。

要するに「生の」野菜や果物の摂取はこころの健康に大きく貢献するが、「加工品」はそうでもない、ということになります。

前からかなり分かっていたことではあるのですが、どうして効果があるのかブラックボックスである部分も多く躊躇がありました。しかし、そろそろ自信をもって次のように言っても良いような気がします。

“こころが健康でありたければ、生の野菜と果物を意識して多く摂りなさい”と。

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