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オープンダイアローグって何だろう?


日本精神神経学会に来ています。

今日最も印象に残ったのは森川すいめい先生(翠会みどりの杜クリニック)のオープンダイアローグに関する話でした。

話の内容もとても興味深かったのですが、何よりも先生のトークが最終的にどこに落ち着くのか、逍遥の具合がスリリングで、かつそれが心地よいという不思議な体験をしました。

通常、どこに行くのか、結局何が言いたいのか着地点が見えない説明や会話というのは少し不安で、しんどいものですが、先生の説明はとても安心感がありました。それは、きっと目標は見えていないわけではない、意味のある回り道を一緒にしている感覚だったからのような気がします。

だから、「あ、手探りで言葉を探しておられる……。」と感じ、「これはオープンダイアローグを取り巻く日本の状況を象徴しているな」とも思ったのですが、それは決してどこに向かって良いか迷っているわけではなく、少なくとも本質的には目標をしっかり見据えながら、でも敢えて回り道をして周囲の認識のペースも見ながら、じわじわと浸透するような説明を行っている、そういう姿勢だったように思われました。

「本人のいないところでは何も決めない」

「孤独(閉じた環境)が病を作る」

本来、考えれば当たり前のことを、ずっと見ないようにしてきたような気がします。

誰も自分にとって大切なことを