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地中海食と睡眠の質


高齢になると睡眠時間が短く、不規則になり、睡眠の質が低下することが多く経験されます。ベンゾジアゼピン系といわれる睡眠導入剤が処方され、せん妄や認知能力の低下を引き起こしたりする等の問題が指摘されています。

高齢者の生活において、睡眠の質を保つことは、健康や認知能力の保持のみでなく、生活全般の質にとって非常に大きな要素となります。

地中海食と高齢者における睡眠の関連

地中海食とは野菜・果物・全粒穀物等が豊富な地中海沿岸の伝統食で、赤ワインやチーズ・ヨーグルト・豆類などは摂られますが、肉類・卵・菓子類等の摂取は控えることになっています。

このような食事と認知能力低下の予防効果については、これまでも繰り返し調査が行われ、好ましい影響が示唆されてきました。今回は、特に認知能力とは独立に睡眠の質に焦点を当てた内容となっています。

およそ1600人を対象とする調査で、他の影響しそうな要因を調整した結果、地中海食を摂取するグループの方が明らかに睡眠の質が改善しました。この調査に使われたのは、入眠に必要な時間や睡眠中の体動などに関する内容を含む12項目からなる睡眠スケールで、低い方が睡眠の質が良いことを示します。点差は2点程度(18.8 ± 7.7 vs 17.6 ± 7.8 and 16.3 ± 7.2)ですが、自覚的にはこの差は大きいのかもしれません。

他の点では、地中海食を摂っていないグループでは、うつの頻度が高く、全体の摂取カロリーが多く、より肥満の傾向がありました。

昨日は、医師の提唱する食事療法についてご紹介しましたが、すすめられている内容の詳細は異なるものの、基本的な食生活を見直すことが、うつや睡眠をはじめとする健康状態に大きく影響することは明らかなようです。

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