ADHD治療薬の有効性についてはそれぞれの薬剤に特性があり、どの年齢層で有効か、あるいはどの薬剤の副作用が少ないのかなど、さまざまな視点で評価する必要もあり、結局どの薬を最も優先して使用するべきなのか議論が分かれるところです。
今回はさまざまな調査を総括して、ADHD治療薬の有効性について上記の問いに答えようとした論文があったのでご紹介します。
児童・思春期・成人期におけるADHD治療薬の有効性と副作用の比較
およそ10000人の子どもと8000人の成人を含む133の二重盲検試験(投与する側とされる側の双方が偽薬か実薬かを知らない試験)が見直されました。
結論としては、作用や副作用を総合的に考慮した結果、少なくとも短期の治療効果を求めた場合、児童・思春期においてはメチルフェニデート(日本での商品名はコンサータ)、成人期においてはアンフェタミン(アメリカでは商品名Adderall、日本では覚せい剤指定)が最も優先されるべき処方として支持されていました。
しかし、今回の論文では結論が得られなかった長期の効果については、さらなる調査が必要であるとされていました。
今回の調査結果は今後作成されるガイドライン(治療指針)等へも影響のある内容であると思われました。