うつ病に対するDBS(脳深部刺激療法)の新しい標的


脳の中に電極を埋め込み微弱な電流を流すことでパーキンソン病などの症状を軽減する治療を「DBS(脳深部刺激療法)」と言います。

海外では治療の効果のないうつ病にDBSが行われることがあります。しかし、その成否はどの部位を刺激するかによる面があり、効果が十分でない場合も多いと言えます。

今回、うつ症状に対してこれまでより効果の高い刺激部位が見つかったのではないかという内容の論文を紹介します。

Direct Electrical Stimulation of Lateral Orbitofrontal Cortex Acutely Improves Mood in Individuals with Symptoms of Depression

外側眼窩前頭皮質(OFC)の直接電気刺激によって速やかにうつ症状の改善を認めた

軽度から重症のうつ症状を伴う25人のてんかん患者(“うつ病”が主要な診断ではない点は注意が必要と思われます)において、目の少し上の部位にある脳の外側を、内部に埋め込まれた電極で刺激したところ、うつ症状の速やかな改善を認めました。

この外側眼窩前頭皮質(以下OFC)は脳の各部を結ぶ回路のハブ(配線が集中する箇所)であり、気分のコントロールにも重要な役割を果たしていると考えられます。

非常に効果の高い刺激部位が見つかったことで、うつ病に対するDBSの有効性の確立がすすむ可能性が考えられます。

しかし、効果は速やかであっても、その後の経過についてのデータがなく、長期に渡ってうつ症状の軽減につながるのか明らかではありません。

今後は、他の治療法が有効でないうつ病の患者さんに対して、長期的な効果が望めるのかについて検証がすすむと考えられます。

また、このような研究が進むことによって、DBSの有効性のみでなく、うつ症状のしくみ全般が深く理解され、治療全体の進歩があると有難いと思いました。


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