強迫性障害を体験した著者が、障害を克服するために必要な鉄則を示したものです。
鉄則の大部分は強迫性障害を乗り越えるために必要な心構えを示したものです。
一部を抜粋すると以下のようになっています。
①今、やろうとしていることが、強迫行為かどうか、少しでも迷ったら、それは強迫行為である。
②少なくとも、強迫行為をしようかどうか迷った時は、絶対にしてはいけない。
③強迫行為を行わなかった時の不快感に騙されてはいけない。不快感は、時間とともに薄れる。
④強迫行為を続けている限りは、強迫性障害は治らない。
⑦とにかく慌てず落ち着くこと。そして、強迫行為をすぐ行わず、少なくとも時間を置くこと。
⑩安心しようとして行う行為は、必ず新たな不安を生み出す。つまり、強迫観念は飛び火する。
⑫強迫観念を無視しても恐れているようなことは何も起こらない。
⑳まず安心してからがんばろうとすることは、やめるべし。不安のままがんばるべきである。
㉛小さな一歩は大躍進への一歩である。
㉟これらの鉄則も、実行しなければ意味がない。
精神論を説かれているようにも見えます。
実際その通りで、精神の根幹の部分を述べられているのだと思います。
しかし単なる精神論ではなく、一般的にも知られている反応妨害法や森田療法、認知行動療法等とも一致する部分が多く説得力があります。
様々な言い方はあるのかもしれませんが、結局のところ上記の鉄則のようなシンプルで強い言葉たちを心に置きながら、強迫行為から脱する努力を続けるしかないということだと思います。
強迫性障害は薬も良く効く場合がありますが、最終的にご本人の主体的な取り組みや症状に対する理解が重要な病気と言えます。その取り組みを支える上で、体験に即した強い言葉を集めた本書はおすすめです。