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アリピプラゾールの副作用について


今日は最初に抗精神病薬について、若干の説明をさせてください。

抗精神病薬は主として統合失調症に使われることが多いのですが、鎮静や気分安定、抗不安、睡眠導入・維持の作用などがあり、病気を限定せず広く用いられている薬剤でもあります。

統合失調症の主な精神症状を2つに分けると陽性症状(幻覚、妄想)と陰性症状(意欲低下、自閉)に大きく分かれますが、抗精神病薬の種類によって症状に対する効果が異なります。

非常に大まかではありますが、昔から精神病症状に使われている定型抗精神病薬(ていけいこうせいしんびょうやく)と、ここ20年ほどで治療の主役となった非定型抗精神病薬(ひていけいこうせいしんびょうやく)の特徴は以下のようになっています。

定型抗精神病薬:陽性症状への効果が中心で、錐体外路症状(体が硬くなったり、震えるなどの副作用)が出やすい。 例:セレネース(ハロペリドール)、コントミン(クロルプロマジン)、レボトミン(レボメプロマジン)など 非定型抗精神病薬:陰性症状への効果が比較的高く、錐体外路症状(上記)が少ない。 例:リスパダール(リスペリドン)、エビリファイ(アリピプラゾール)、ジプレキサ(オランザピン)、セロクエル(クエチアピン)など

※以上の薬剤で( )内は成分名です。

今日、論文中に登場するのは非定型抗精神病薬の中でも比較的新しいアリピプラゾールです。