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喫煙の乳児突然死に対する影響


喫煙が及ぼす健康被害を考えれば、禁煙するべきことは分かっているのに、どうしてもやめられないという方は多いと思います。

私も15年前まで1日に20本以上は煙草を吸っていましたし、ストレスが特に強かった時期にはチェーンスモーキングで気が付くとすぐに40本くらいになっていました。毎日、肺が重い感覚で、自分はこうやって肺を鍛えているんだと妙な言い訳をして、風邪の時でもタバコをやめなかった(やめられなかった)のを覚えています。

健康被害も大きいのですが、依存性も強く、比較的入手もし易いため、物質依存が絶ちにくい対象の特質を備えていると思います。

今回は妊娠期の女性の喫煙が大きく乳児の突然死に影響を与えているという内容の論文です。

妊娠前や妊娠中の喫煙と乳児突然死の危険性

アメリカにおける2007年から2011年までの2000万人以上の出生児と、19000例以上の乳児突然死が調査の対象となりました。

結果は以下のようになりました。

①妊娠中に煙草を吸っていた場合は、乳児突然死の危険率が2倍以上(2.44倍)になる。

②たとえ1日に1本の喫煙でもおよそ危険率は2倍。その後、1本増えるごとに危険率は直線的に増え、1日20本で3倍以上となり、平行に達する。

③妊娠初期にタバコの本数を減らした場合12%、完全にやめた場合は23%の危険率低下につながる。

たとえ1本の喫煙でも突然死の危険率に大きな影響のある点が印象的で、想定しうる様々な要素を調整した後の結果であることと、その後の1本ごとの危険率増加をみても、単独要因としての因果関係に説得力を感じる論文でした。

今回は、女性の喫煙についての論文でしたが、実際には父親の喫煙による影響も大きいと言われており、もちろん小さな子どもを持つ男性にとっても喫煙は大きな問題と言えます。

すぐに止めにくいことは自分自身でも身に染みて分かっているので、強く主張しにくいところではありますが、自分と周囲のことを真剣に考えるならば、ニコチンは縁を切らなければならない物質と言えそうです。

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